フランスと日本ではマナーも捉え方も異なる
フランスと日本は、江戸時代から徳川幕府と交流があり、友好国として付き合ってきましたが、食事をはじめとしてさまざまな文化の違いがあります。
また、文化や歴史が違えば考え方が異なるのも当然のことで、フランス人にしてみれば当たり前のことが日本人の目には不思議に映ったり、その逆もあるでしょう。
フレンチを食べる時には、こうした文化の違いを頭の中に入れておくことも必要です。
フレンチを食べる時に感じる日本人最大の違和感
フレンチを食べるには、たくさんのカトラリーを使い分ける必要があり、お箸一つですべての料理を食してきた日本人にとって、最大の不思議要素です。
そんなたくさんのカトラリーを使いこなすことで、優雅な食事スタイルを実現しているフレンチで、日本人の多くが首をかしげるのが、メインディッシュに添えられるお皿のソースを、一口大にちぎったパンでぬぐって食べるという行為ではないでしょうか。
日本の食事でいえば、器に残ったソースの中にごはんを入れ、ソースと混ぜ合わせて食べることになるわけですから、決して見た目のよいものではありません。
そのため、パンでソースをぬぐって食べるのはマナー違反ではないと言われても、実践しない人もたくさんいます。
ソースをパンでぬぐって皿からきれいに取り去って食べるのは、ソースがシェフによって丹精込めて作られるからで、料理はもちろん、ソースも大変おいしかったと伝えるためだと言われています。
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パンにソースを付ける時に気を付けるべきこと
日本人が皿のソースをパンにつけて食べることに対して感じる違和感の理由は、ちぎったパンをちょっとつけるのではなく、皿をぬぐうようにしてソースを付けることにあると考えられます。
おそらく、ぬぐうという行為に対し、本能的に行儀が悪いと感じるのでしょうが、実はフランス人もそう感じているのです。
パンにソースを付けて食べること自体はマナー違反ではありませんが、お皿の上の料理を食べるのはナイフとフォークを使うのがフレンチの鉄則です。
そのため、ソースをパンに付けて食べるときも手ではなく、パンをフォークに軽く刺してから、ぬぐうようにではなく、ちょっとソースを付けて食べるのがマナーです。
ただし、イギリスではたとえフォークを使ったとしても、お皿に残ったソースをパンにつけるのはタブーとなっていますので、イギリスの人と一緒のときは避けた方がいいでしょう。
もともと上品に食べることを要求するフレンチだけに、周りの人を不快にさせない食べ方という観点から考えると、手でつかんだパンでソースをぬぐって食べられなかった人の本能的な感覚は、正しかったと言えます。